『十月のゲーム』
レイ・ブラッドベリ著/仁賀克雄訳
徳間文庫「恐怖のハロウィーン」所収 初版1986年10月15日
あらすじ・・・ある年のハロウィーン、ミッチは憎むべき妻ルイーズを苦しめようと、思いを巡らせていた。ミッチはどうしても息子が欲しかった。だがルイーズは出産を恐れていた。
心ならずも妊娠するが、生まれてきたのは息子ではなく、ミッチとは似ても似つかぬ娘だった。黒い肌、瞳、髪のミッチに当てつけるかのように、白い肌とブロンドの髪に青い瞳をしたマリオンをミッチはどうしても愛せなかった。妻との不和は年々積もっていき、ついには殺意を抱くまでになった。だが、殺すだけでは飽き足らない。もっと長く、ルイーズを苦しめなければ……。
ハロウィーンの日、近所の子供達を家の地下室に集め、ゲームが始まる。暗闇の中、ミッチはまず「魔女は死んだ。これが魔女を殺したナイフだ」と言い、子供たちにナイフを回した。ゲームはこのあと、ニワトリの内蔵を「魔女のはらわた」、スープ用の骨を「魔女の腕」、おはじきを「魔女の目玉」、などと言いながら手に手に回していくはずだった……。
オチは読めるんですが、ほのめかすだけではっきりと描かないのが「うわぁ……」ってなります。ブラッドベリってこんな話も書くんだ……って思ったんですが、「第二のアッシャー邸」とか、結構ダークな話を書く人でしたね。元々「何かが道をやってくる」のような、ダークファンタジーを得意にしてる人でした。「万華鏡」とか「霧笛」「火星年代記」(第二のアッシャー邸はこれに収録されてます)の印象が強かったのでちょっとびっくりしました。
作者のレイ・ブラッドベリについては今更紹介するまでもないでしょう。
代表作は前述の「何かが道をやってくる」「火星年代記」「刺青の男」などでしょうか。SF・ダークファンタジーなどの著作が多数ありますが、個人的には短編作家というイメージが強いですね。数多くの名作をものしている人なので、どの本でも良いのでぜひ読んでいただきたい作家です。
「恐怖のハロウィーン」は、アイザック・アシモフ編のハロウィーンテーマのアンソロジーです。他にはエドワード・D・ホック「吸血鬼の日」、アル・サラントニオ「パンプキン・ヘッド」、イーディス・ウォートン「万聖節前夜」、ロバート・F・ヤング「今年の生贄」がおすすめです。
ホラー、ミステリー、ファンタジーと色んなジャンルの短編がありますが、ホラーやファンタジーに比べると、ミステリーはイマイチでしたね。ミステリーだと、ハロウィーンは舞台設定の一つに過ぎなくなるので、ハロウィーンそのものを描けるホラーやファンタジーほど、印象的な作品にはならなかったのでしょうか。
この本の白眉はイーディス・ウォートンの「万聖節前夜」でしょう。物語の中では特に何も起きていないのに、異様に怖い。最後にほのめかされる真相はちょっとありがちな感じですが、ヒロインが一人屋敷を彷徨う場面の緊迫感がすごいです。
10月31日はハロウィーンということで、それに合わせて投稿してみました。古代人の間では、一日は日没から始まると考えられていたそうで、クリスマスは12月25日ではなく12月24日の日没から始まるので、12月24日はクリスマス・イヴなのです。11月1日の万聖節は前日の日没から始まるので、10月31日は「万聖節前夜」すなわちハロウィーンなのだそうです。10月31日には、もう一度この本を読み返してみようと思います。
2017年10月30日月曜日
2017年8月14日月曜日
第30回下鴨納涼古本まつり
『第30回下鴨納涼古本まつり』リポート
2017年8月13日、京都下鴨神社で開催されている、第30回下鴨納涼古本まつりに行ってきました。
今回はなぜか、看板がありませんでした。去年の場所にも無かったような……。
日曜日ということもあってか、なかなかの人出。
今日は曇りがちで日差しも弱く、糺の森の木陰のおかげで、意外に暑くなかったです。
参加店の数は、去年と同じくらい?
会場の直ぐ側の森。
「瀬見の小川」の近くは、空気もひんやりしてました。今年初めて鯉が泳いでいることに気づきました。
出掛けたあとで、サングラスと虫除けを忘れたことに気づきました。曇っていたのでサングラスはいらなかったんですが、夏の古本市は虫除けが必需品。蚊取り線香を焚いている店もありますが、基本は自己防衛。虫除けリングや、携帯式虫除けを持っている人が多かったです。
今回の戦利品はこちら。SF5冊、ホラー4冊。
SFマガジンは1970年7月号。トム・ゴドウィン「発明の母」、ダニエル・F・ガロイ「おとり」が収録されている号。
「輪廻の蛇」(ハヤカワ文庫SF)は、ロバート・A・ハインラインの短編集。「かれら」と言う作品が読みたかった。
「分解された男」(創元推理文庫)は、アルフレッド・ベスターのヒューゴー賞受賞作。
「ピー・アイ・マン」(創元推理文庫)も、アルフレッド・ベスターの短編集。
「年間SF傑作選5」(創元推理文庫)は、ジュディス・メリル編のSFアンソロジー。キット・リードの「オートマチックの虎」という作品のタイトルが気になって購入しました。
「カルト映画館*ホラー」(現代教養文庫)は、永田よしのり編のカルト映画のガイドブック的なもの。
「恐怖のハロウィーン」(徳間文庫)は、アイザック・アシモフ編の「ハロウィーン」テーマのアンソロジーです。
「妖魔の宴 ドラキュラ編2」(竹書房文庫)は菊地秀行監修の「ドラキュラ」アンソロジー。
「サンテリア」(創元推理文庫)は、ニコラス・コンデ著のホラー小説。ヴードゥ教がテーマらしい。
今年は曇っていたので雨の心配もしたのですが、降られることもなく、暑さもそれほどでもなかったので良かったです。
バスはやっぱり混むので、タクシーの利用を本気で考えています。
下鴨納涼古本まつりは、16日の水曜日まで開催されているので、興味のある方は行ってみられたらどうでしょうか。……バスは混みますが……。
2017年8月13日、京都下鴨神社で開催されている、第30回下鴨納涼古本まつりに行ってきました。
今回はなぜか、看板がありませんでした。去年の場所にも無かったような……。
日曜日ということもあってか、なかなかの人出。
今日は曇りがちで日差しも弱く、糺の森の木陰のおかげで、意外に暑くなかったです。
参加店の数は、去年と同じくらい?
会場の直ぐ側の森。
「瀬見の小川」の近くは、空気もひんやりしてました。今年初めて鯉が泳いでいることに気づきました。
出掛けたあとで、サングラスと虫除けを忘れたことに気づきました。曇っていたのでサングラスはいらなかったんですが、夏の古本市は虫除けが必需品。蚊取り線香を焚いている店もありますが、基本は自己防衛。虫除けリングや、携帯式虫除けを持っている人が多かったです。
今回の戦利品はこちら。SF5冊、ホラー4冊。
SFマガジンは1970年7月号。トム・ゴドウィン「発明の母」、ダニエル・F・ガロイ「おとり」が収録されている号。
「輪廻の蛇」(ハヤカワ文庫SF)は、ロバート・A・ハインラインの短編集。「かれら」と言う作品が読みたかった。
「分解された男」(創元推理文庫)は、アルフレッド・ベスターのヒューゴー賞受賞作。
「ピー・アイ・マン」(創元推理文庫)も、アルフレッド・ベスターの短編集。
「年間SF傑作選5」(創元推理文庫)は、ジュディス・メリル編のSFアンソロジー。キット・リードの「オートマチックの虎」という作品のタイトルが気になって購入しました。
「カルト映画館*ホラー」(現代教養文庫)は、永田よしのり編のカルト映画のガイドブック的なもの。
「恐怖のハロウィーン」(徳間文庫)は、アイザック・アシモフ編の「ハロウィーン」テーマのアンソロジーです。
「妖魔の宴 ドラキュラ編2」(竹書房文庫)は菊地秀行監修の「ドラキュラ」アンソロジー。
「サンテリア」(創元推理文庫)は、ニコラス・コンデ著のホラー小説。ヴードゥ教がテーマらしい。
今年は曇っていたので雨の心配もしたのですが、降られることもなく、暑さもそれほどでもなかったので良かったです。
バスはやっぱり混むので、タクシーの利用を本気で考えています。
下鴨納涼古本まつりは、16日の水曜日まで開催されているので、興味のある方は行ってみられたらどうでしょうか。……バスは混みますが……。
2017年8月11日金曜日
『まったく、何でも知ってるエイリアン』感想
『まったく、何でも知ってるエイリアン』
ジョージ・アレック・エフィンジャー著/黒丸尚訳
早川書房SFマガジン1985年4月号収録
あらすじ・・・アメリカ合衆国大統領である「私」のもとに、国務長官から「エイリアンが来ました」との報告が来た。 ヌープと名乗る彼らは友好的で、様々なアドヴァイスをくれた。星間航行を可能にした彼らの高度な技術を得ようと地球人たちも友好的に接するが、ヌープたちには一つ欠点があった。あまりにも、おせっかいすぎるのだ……。
……これも一種の「侵略ものSF」になるんでしょうか? ヌープにはそんな気はないのでしょうが……。
ベートーベンの最高傑作は「第九」ではなく「ピアノ協奏曲第五番変ホ長調」。それすらも最高ではなく、人類の最高傑作は「映画ベン・ハーの音楽」。最も美しい花は「タチアオイ」。最高のアメリカ大統領は「ジェームズ・K・ポーク」。こんな具合に意見を押し付けられ、最高の投資先、料理に合うワイン、付き合っている二人の女性どちらと結婚すべきか、などなど……様々な「アドヴァイス」をされれば、たとえ友好的なエイリアンでも鬱陶しくなるでしょう。
ラストもほのぼのしてるのか皮肉なのか、ちょっと変わった読後感でした。
作者のジョージ・アレック・エフィンジャーは1947年生まれのアメリカ人作家です。代表作は『重力が衰えるとき』(ハヤカワ文庫SF)でしょうか。ハードボイルドな作風というイメージがあったので、この作品は意外な印象でした。
8月11日から下鴨納涼古本まつりが始まります。13日に行く予定(雨が降ったら断念)ですので、またSFマガジンを探してみるつもりです。
ジョージ・アレック・エフィンジャー著/黒丸尚訳
早川書房SFマガジン1985年4月号収録
あらすじ・・・アメリカ合衆国大統領である「私」のもとに、国務長官から「エイリアンが来ました」との報告が来た。 ヌープと名乗る彼らは友好的で、様々なアドヴァイスをくれた。星間航行を可能にした彼らの高度な技術を得ようと地球人たちも友好的に接するが、ヌープたちには一つ欠点があった。あまりにも、おせっかいすぎるのだ……。
……これも一種の「侵略ものSF」になるんでしょうか? ヌープにはそんな気はないのでしょうが……。
ベートーベンの最高傑作は「第九」ではなく「ピアノ協奏曲第五番変ホ長調」。それすらも最高ではなく、人類の最高傑作は「映画ベン・ハーの音楽」。最も美しい花は「タチアオイ」。最高のアメリカ大統領は「ジェームズ・K・ポーク」。こんな具合に意見を押し付けられ、最高の投資先、料理に合うワイン、付き合っている二人の女性どちらと結婚すべきか、などなど……様々な「アドヴァイス」をされれば、たとえ友好的なエイリアンでも鬱陶しくなるでしょう。
ラストもほのぼのしてるのか皮肉なのか、ちょっと変わった読後感でした。
作者のジョージ・アレック・エフィンジャーは1947年生まれのアメリカ人作家です。代表作は『重力が衰えるとき』(ハヤカワ文庫SF)でしょうか。ハードボイルドな作風というイメージがあったので、この作品は意外な印象でした。
8月11日から下鴨納涼古本まつりが始まります。13日に行く予定(雨が降ったら断念)ですので、またSFマガジンを探してみるつもりです。
2017年5月5日金曜日
第35回 春の古書大即売会
『第35回 春の古書大即売会』リポート
2017年5月4日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催中の「第35回 春の古本大即売会」に行ってきました。
今年は時間と予算の都合で春の四天王寺は諦めました。
屋内イベントなので、天気の心配がいらないのは良いですね。
この時期の京都は、とにかくすごい人出です。バスは特に混むので、京都に行こうと思っている人は、気をつけたほうが良いでしょう。
今年も弓道の大会が開かれていたようで、和服で弓を持った人がたくさんいました。
会場はかなり広くて、一通り見て回るのに一時間くらいかかりました。今年も外国人の方を何人か見かけました。京都コーナーもあって、京都に関する本が並べられていました。
今回の戦利品。ファンタジー4冊、SF2冊、その他3冊。ホラーが、ホラーが全然ない……。
「ハロルド・シェイ」シリーズ(ハヤカワ文庫FT)は、L・スプレイグ・ディ・キャンプとフレッチャー・プラット共著のアンチ・ヒーローファンタジー。
ジョン・ウィンダム著「地衣騒動」(ハヤカワSFシリーズ)は、作者で選びました。ハヤカワのジョン・ウィンダムでは、これはまだ文庫化されていなんじゃないでしょうか(私が見ていないだけかもしれませんが)?
「びっくりユーモアSF大全集」(奇想天外社)は、SF雑誌「奇想天外」の別冊。ウィリアム・テン、ロバート・シェクリー、ロバート・シルヴァーバーグ、キース・ローマー、ボブ・ショウ、ノーマン・スピンラッドなどのユーモアSF短編が掲載されています。ボブ・ショウの「カクテル・パーティー効果」とか聞いたことがあります。
「史上最強の勇士たち フランス外人部隊」(原書房)は、デイヴィッド・ジョーダン著のフランス外人部隊の本。
「イラク自衛隊「戦闘記」」(講談社)は、イラク先遣隊長だった佐藤正久さんの本。
「チムール帝国紀行」(桃源社)は、クラヴィホ著のチムール(ティムール)帝国旅行記。東西交渉旅行記全集の第三巻。他のも読んでみたいです。
久々の古本市で楽しかったのですが、帰りのバスがとにかくすごい混んでいて、大変でした。本数も少ないので(みやこめっせ前のバス停からは、30分に一台くらい)来年はいっそタクシーにしようかな……。
2017年5月4日、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催中の「第35回 春の古本大即売会」に行ってきました。
今年は時間と予算の都合で春の四天王寺は諦めました。
屋内イベントなので、天気の心配がいらないのは良いですね。
この時期の京都は、とにかくすごい人出です。バスは特に混むので、京都に行こうと思っている人は、気をつけたほうが良いでしょう。
今年も弓道の大会が開かれていたようで、和服で弓を持った人がたくさんいました。
会場はかなり広くて、一通り見て回るのに一時間くらいかかりました。今年も外国人の方を何人か見かけました。京都コーナーもあって、京都に関する本が並べられていました。
今回の戦利品。ファンタジー4冊、SF2冊、その他3冊。ホラーが、ホラーが全然ない……。
「ハロルド・シェイ」シリーズ(ハヤカワ文庫FT)は、L・スプレイグ・ディ・キャンプとフレッチャー・プラット共著のアンチ・ヒーローファンタジー。
ジョン・ウィンダム著「地衣騒動」(ハヤカワSFシリーズ)は、作者で選びました。ハヤカワのジョン・ウィンダムでは、これはまだ文庫化されていなんじゃないでしょうか(私が見ていないだけかもしれませんが)?
「びっくりユーモアSF大全集」(奇想天外社)は、SF雑誌「奇想天外」の別冊。ウィリアム・テン、ロバート・シェクリー、ロバート・シルヴァーバーグ、キース・ローマー、ボブ・ショウ、ノーマン・スピンラッドなどのユーモアSF短編が掲載されています。ボブ・ショウの「カクテル・パーティー効果」とか聞いたことがあります。
「史上最強の勇士たち フランス外人部隊」(原書房)は、デイヴィッド・ジョーダン著のフランス外人部隊の本。
「イラク自衛隊「戦闘記」」(講談社)は、イラク先遣隊長だった佐藤正久さんの本。
「チムール帝国紀行」(桃源社)は、クラヴィホ著のチムール(ティムール)帝国旅行記。東西交渉旅行記全集の第三巻。他のも読んでみたいです。
久々の古本市で楽しかったのですが、帰りのバスがとにかくすごい混んでいて、大変でした。本数も少ないので(みやこめっせ前のバス停からは、30分に一台くらい)来年はいっそタクシーにしようかな……。
2017年4月14日金曜日
『美味球身』感想
『美味球身』
ラリー・アイゼンバーグ著/浅倉久志訳
講談社文庫「世界ユーモアSF傑作選1」 初版1980年3月15日
あらすじ……ダックワースが開発した「DMM」は、一度食べたら病みつきになるほどの美味だが、超高カロリーで人間を丸い脂肪の塊に変えてしまうものだった。しかし、「DMM」に催淫剤としての効果があることがわかると、爆発的な勢いで全世界に広まった。
「DMM」には、もう一つ、特殊な効用があって……。
ショートショートですが、なかなか面白い作品だと思いました。オチの後、世界がどうなったのか考えると……。
一つ気になったのが、作中で世界で唯一「DMM」に損なわれなかった国として、引用すると「合衆国が爆撃で石器時代にまで押し戻そうとしたこの小さな国」って、日本のことですかね? 作品が発表されたのはベトナム戦争の前後なので「永久的な飢餓の一歩手前まで痩せほそった国民」「占領軍を、海へ追い落とした」と言う描写から、日本のことだと思うのですが……。
作者のラリー・アイゼンバーグは、生体臨床医学のエレクトロニクス技術者だそうです。その他のことはよく分かりません。短編が二、三本翻訳されているようです。
「世界ユーモアSF傑作選1」は、講談社文庫から出版されている「ユーモアSFアンソロジー」です。他にはチャド・オリバー、チャールズ・ボーモント、エドモンド・ハミルトン、ウィリアム・テン、ロバート・ブロック、ゴードン・R・ディクスン、ロバート・シェクリー、ノーマン・スピンラッド、アラン・E・ナース、フィリップ・ホセ・ファーマー、ジェームズ・E・ガンなどの作品が収録されています。
時間SFのタブーを無視しまくった、ウィリアム・テンの「おれと自分と私と」や、今や現実に起こり得るような時代になった、ゴードン・R・ディクスンの「コンピューターは問い返さない」なんかが面白かったです。
「世界ユーモアSF傑作選1」には、「世界ユーモアSF傑作選2」という続巻があります。
ラリー・アイゼンバーグ著/浅倉久志訳
講談社文庫「世界ユーモアSF傑作選1」 初版1980年3月15日
あらすじ……ダックワースが開発した「DMM」は、一度食べたら病みつきになるほどの美味だが、超高カロリーで人間を丸い脂肪の塊に変えてしまうものだった。しかし、「DMM」に催淫剤としての効果があることがわかると、爆発的な勢いで全世界に広まった。
「DMM」には、もう一つ、特殊な効用があって……。
ショートショートですが、なかなか面白い作品だと思いました。オチの後、世界がどうなったのか考えると……。
一つ気になったのが、作中で世界で唯一「DMM」に損なわれなかった国として、引用すると「合衆国が爆撃で石器時代にまで押し戻そうとしたこの小さな国」って、日本のことですかね? 作品が発表されたのはベトナム戦争の前後なので「永久的な飢餓の一歩手前まで痩せほそった国民」「占領軍を、海へ追い落とした」と言う描写から、日本のことだと思うのですが……。
作者のラリー・アイゼンバーグは、生体臨床医学のエレクトロニクス技術者だそうです。その他のことはよく分かりません。短編が二、三本翻訳されているようです。
「世界ユーモアSF傑作選1」は、講談社文庫から出版されている「ユーモアSFアンソロジー」です。他にはチャド・オリバー、チャールズ・ボーモント、エドモンド・ハミルトン、ウィリアム・テン、ロバート・ブロック、ゴードン・R・ディクスン、ロバート・シェクリー、ノーマン・スピンラッド、アラン・E・ナース、フィリップ・ホセ・ファーマー、ジェームズ・E・ガンなどの作品が収録されています。
時間SFのタブーを無視しまくった、ウィリアム・テンの「おれと自分と私と」や、今や現実に起こり得るような時代になった、ゴードン・R・ディクスンの「コンピューターは問い返さない」なんかが面白かったです。
「世界ユーモアSF傑作選1」には、「世界ユーモアSF傑作選2」という続巻があります。
2016年12月25日日曜日
『くじ』感想(ネタバレ有り)
『くじ』
シャーリー・ジャクソン著/深町眞理子訳
文春文庫「厭な物語」所収 初版2013年2月10日
あらすじ(ネタバレ)・・・6月27日の朝、村人たちは広場に集まり始めた。今日は年に一度の「くじ」の日なのだ。300人ほどの村人の中から、たった一人を選ぶ「くじ」。まず、一族の長が代表して「くじ」を引き、選ばれた一族の全員が一枚づつ「くじ」 を引く。今年選ばれたのは、テシー・ハッチンスンだった。村人たちは皆、男も女も老人も子供も、手に手に石を持ち、彼女を取り囲んだ。
「こんなのフェアじゃない。こんなのいんちきだ」
叫ぶ彼女に、村人たちは一斉に襲いかかった。
……何ていうか、ちょっと言葉にできない感じです。実に「厭な」読後感です。ただ、間違いなく「名作」です。一度読んだら忘れられない作品でしょう……、忘れたいのに。
この短編がニューヨーカー誌に発表された時の反応と言うか、反発はすごかったらしいですね。ま、そりゃそうでしょうけど。
シャーリー・ジャクソンについては「ずっとお城で暮らしてる」の記事を参照して下さい。
「厭な物語」は、文春文庫刊の「厭な物語のアンソロジー」です(そのまんまや)。他にはアガサ・クリスティー「崖っぷち」、パトリシア・ハイスミス「すっぽん」、ジョー・R・ランズデール「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」、リチャード・クリスチャン・マシスン「赤」、ローレンス・ブロック「言えないわけ」、フレドリック・ブラウン「うしろをみるな」などが収録されています。ブラウンの「うしろをみるな」は彼の短編集で読んだことがありますが、これは原書で、刊行当時に読んでいたらもっと面白かったでしょうね。
「厭な物語」は最近四刷目が出ているようなので、手に入れやすいと思います。興味を持たれた方は読んでみて、一緒に厭な気分になりましょう。
シャーリー・ジャクソン著/深町眞理子訳
文春文庫「厭な物語」所収 初版2013年2月10日
あらすじ(ネタバレ)・・・6月27日の朝、村人たちは広場に集まり始めた。今日は年に一度の「くじ」の日なのだ。300人ほどの村人の中から、たった一人を選ぶ「くじ」。まず、一族の長が代表して「くじ」を引き、選ばれた一族の全員が一枚づつ「くじ」 を引く。今年選ばれたのは、テシー・ハッチンスンだった。村人たちは皆、男も女も老人も子供も、手に手に石を持ち、彼女を取り囲んだ。
「こんなのフェアじゃない。こんなのいんちきだ」
叫ぶ彼女に、村人たちは一斉に襲いかかった。
……何ていうか、ちょっと言葉にできない感じです。実に「厭な」読後感です。ただ、間違いなく「名作」です。一度読んだら忘れられない作品でしょう……、忘れたいのに。
この短編がニューヨーカー誌に発表された時の反応と言うか、反発はすごかったらしいですね。ま、そりゃそうでしょうけど。
シャーリー・ジャクソンについては「ずっとお城で暮らしてる」の記事を参照して下さい。
「厭な物語」は、文春文庫刊の「厭な物語のアンソロジー」です(そのまんまや)。他にはアガサ・クリスティー「崖っぷち」、パトリシア・ハイスミス「すっぽん」、ジョー・R・ランズデール「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」、リチャード・クリスチャン・マシスン「赤」、ローレンス・ブロック「言えないわけ」、フレドリック・ブラウン「うしろをみるな」などが収録されています。ブラウンの「うしろをみるな」は彼の短編集で読んだことがありますが、これは原書で、刊行当時に読んでいたらもっと面白かったでしょうね。
「厭な物語」は最近四刷目が出ているようなので、手に入れやすいと思います。興味を持たれた方は読んでみて、一緒に厭な気分になりましょう。
2016年10月31日月曜日
第40回記念 秋の古本まつり ー古本供養と青空古本市ー
『第40回記念 秋の古本まつり ー古本供養と青空古本市ー』リポート
2016年10月30日、京都百万遍知恩寺で開催されている「第40回記念 秋の古本まつり ー古本供養と青空古本市ー」に、行ってきました。
日曜日ということもあり、なかなかの人出でした。
会場ではチャリティーオークションが行われていました。
「人物中国の歴史」全冊セットは、参加して落札を目指しても良かったかな?
他にはチャリティー百均コーナーや、
全集・大型本コーナーなんていうのもありました。
百万遍は、2~3年ぶりでしたが、天気もよく絶好の古本市日和でした。外国人のお客さんも結構見かけましたが、京都観光のついでに寄った、ってかんじでしょうか?
会場は結構広かったんですが、各店の商品展示のレイアウトはもう少し頑張ってほしかったですね。何度も行ったり来たり回ったりしてましたから。
あとで知ったんですが、製本一日体験なんてのもやってたんですね。ちょっと見てみたかった。
今回の戦利品はこちら。
久々の二桁。ただ、好みのSFとホラーは不作でした。
SFは二冊。
クリス・ボイス著「キャッチワールド」(ハヤカワ文庫SF)は物語の始まりが2015年(去年やん!)という設定が気に入りました。
「人類の子供たち」(早川書房)はディストピア物かな? 作者のP・D・ジェイムズは、「女には向かない職業」で有名なミステリ畑の女流作家。
魔法物二冊は上の「人類の子供たち」と3冊で500円だったので、ついでに購入。
「魔法ーその歴史と正体」(平凡社)の背表紙に図書館の分類用ラベルが貼ってあって「?」と思ったのですが、中に関西文理学院の蔵書印があったので閉校時に処分したものと思われます。
「太平天国 李秀成の幕下にありて」(平凡社東洋文庫)は、清朝末期の「太平天国の乱」で太平天国側にいたイギリス人、オーガスタス・リンドレーの作。1200円は、結構安い?
この4冊は、百均コーナーで購入したもの。
「ハッキング防衛マニュアル」(データハウス)は、初版1999年のもの。当時のセキュリティ事情が知りたくて購入。
「失われたムー大陸」(大陸書房)はジェームズ・チャーチワード著の、有名なトンデモ本。
「世界教養全集 18」(平凡社)は、中国史関連の本が4作収録されたもの。
「世界の特殊部隊」(朝日ソノラマ)は、エンテベ救出作戦やムッソリーニ救出作戦、グリーンベレーなどの特殊部隊の本。
今年開催される大きな古本市は、これが最後でしょうか。11月3日(木)まで開催されているので、興味のある方は行ってみてはどうでしょう。最寄り駅は私の場合、阪急京都河原町駅で下車。市バスG乗り場から3・17系統のバスに乗って、百万遍で下車。徒歩ですぐ近くの百万遍交差点を渡り左折。ちょっと分かりにくい場所にあるので注意が必要です。
上は百万遍周辺のバス停の地図です。四条河原町からだと「D」のバス停に着くので、赤丸の場所を目指して下さい。
会場内は木が多く、根っこが出っ張ってる所があるので、足元にはお気をつけ下さい。
来月の弁天町ORC200は中止だったなあ……。
2016年10月30日、京都百万遍知恩寺で開催されている「第40回記念 秋の古本まつり ー古本供養と青空古本市ー」に、行ってきました。
日曜日ということもあり、なかなかの人出でした。
会場ではチャリティーオークションが行われていました。
「人物中国の歴史」全冊セットは、参加して落札を目指しても良かったかな?
他にはチャリティー百均コーナーや、
全集・大型本コーナーなんていうのもありました。
百万遍は、2~3年ぶりでしたが、天気もよく絶好の古本市日和でした。外国人のお客さんも結構見かけましたが、京都観光のついでに寄った、ってかんじでしょうか?
会場は結構広かったんですが、各店の商品展示のレイアウトはもう少し頑張ってほしかったですね。何度も行ったり来たり回ったりしてましたから。
あとで知ったんですが、製本一日体験なんてのもやってたんですね。ちょっと見てみたかった。
今回の戦利品はこちら。
久々の二桁。ただ、好みのSFとホラーは不作でした。
SFは二冊。
クリス・ボイス著「キャッチワールド」(ハヤカワ文庫SF)は物語の始まりが2015年(去年やん!)という設定が気に入りました。
「人類の子供たち」(早川書房)はディストピア物かな? 作者のP・D・ジェイムズは、「女には向かない職業」で有名なミステリ畑の女流作家。
魔法物二冊は上の「人類の子供たち」と3冊で500円だったので、ついでに購入。
「魔法ーその歴史と正体」(平凡社)の背表紙に図書館の分類用ラベルが貼ってあって「?」と思ったのですが、中に関西文理学院の蔵書印があったので閉校時に処分したものと思われます。
「太平天国 李秀成の幕下にありて」(平凡社東洋文庫)は、清朝末期の「太平天国の乱」で太平天国側にいたイギリス人、オーガスタス・リンドレーの作。1200円は、結構安い?
この4冊は、百均コーナーで購入したもの。
「ハッキング防衛マニュアル」(データハウス)は、初版1999年のもの。当時のセキュリティ事情が知りたくて購入。
「失われたムー大陸」(大陸書房)はジェームズ・チャーチワード著の、有名なトンデモ本。
「世界教養全集 18」(平凡社)は、中国史関連の本が4作収録されたもの。
「世界の特殊部隊」(朝日ソノラマ)は、エンテベ救出作戦やムッソリーニ救出作戦、グリーンベレーなどの特殊部隊の本。
今年開催される大きな古本市は、これが最後でしょうか。11月3日(木)まで開催されているので、興味のある方は行ってみてはどうでしょう。最寄り駅は私の場合、阪急京都河原町駅で下車。市バスG乗り場から3・17系統のバスに乗って、百万遍で下車。徒歩ですぐ近くの百万遍交差点を渡り左折。ちょっと分かりにくい場所にあるので注意が必要です。
上は百万遍周辺のバス停の地図です。四条河原町からだと「D」のバス停に着くので、赤丸の場所を目指して下さい。
会場内は木が多く、根っこが出っ張ってる所があるので、足元にはお気をつけ下さい。
来月の弁天町ORC200は中止だったなあ……。
2016年10月10日月曜日
第19回天神さんの古本まつり 第15回四天王寺秋の大古本まつり リポート
『第19回天神さんの古本まつり 第15回四天王寺秋の大古本まつり』リポート
2016年10月9日、第19回天神さんの古本まつりと、第15回四天王寺秋の大古本まつりに行ってきました。
まずは、大阪天満宮で開催されている第19回天神さんの古本まつりから。大阪市営地下鉄「南森町駅」か、JR東西線「大阪天満宮駅」で下車、市営地下鉄「4-A」出口またはJR「3」出口から地上に出て右へ、すぐの角を右に曲がると正面に大阪天満宮が見えます。
手前には寄席の「繁昌亭」があります。
雨が心配でしたが、朝のうちに止んでくれて良かったです。地面は一部湿っていましたが。
百円均一コーナーも有り、なかなか盛況でした。会計は各店舗ごとに行う方式。海外作家のSFとホラーの文庫を多めに持ってきている店があってありがたかったです。
一時間ほど回って四天王寺へ。地下鉄谷町線で「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」で下車。徒歩5分ほどで四天王寺着。
北西側から中へ入りました。
地面の濡れているところが多かったですね。ほんと、止んでくれてよかった。会計はいくつかの店舗ごとに共同のレジが置かれている方式です。
毎回思うんですが、やっぱり規模が縮小しているようです。参加店が減っているのか、商品を減らしているのか。しかも来月の弁天町ORC200で開かれる予定だった古本市が、諸般の都合で中止になったという張り紙が……。
なお、現在四天王寺は耐震補強工事中のようです。
あと、敷地内でのポケモンGOは禁止だそうです。
今回の戦利品はこちら。
天神さんで買ったのは9冊。
「ゲートキーパー」上下(ソノラマ文庫)は草上仁さんの「スターハンドラー」シリーズの第三作。そういえば二作目をまだ読み終わってなかったな。
R・A・ラファティの「九百人のお祖母さん」(ハヤカワ文庫SF)は、有名な本ですがなんとなく買いそびれていた本。
「ラブメイカー」(ハヤカワ文庫SF)は、ジョセフ・エルダー編/浅倉久志他訳の「性」をテーマにしたアンソロジー。作家はエドワード・ブライアント、ロバート・シルヴァーバーグ、バリー・N・マルツバーグ他。
「奇妙な関係」(創元推理文庫)はフィリップ・ホセ・ファーマーの初期短編集。
「魔界の盗賊」(ハヤカワ文庫FT)は、マイクル・シェイの中編集。裏表紙の「ラヴクラフト愛好者必読!」に煽られて購入。……表紙がエロかったからじゃないよ?
「李白」上下(岩波書店 中国詩人選集)は、武部利男注の李白の詩集。
「中国歴代家訓選」(徳間書店)は永井義男編訳の、中国の歴史上の人物が残した家訓を集めた本。
四天王寺で買ったのは6冊。
気がついたらSFマガジンばっかり買ってました。今回は色んな店がSFマガジンを売ってました。
1969年11・12月号は、マレイ・ラインスターの「彼岸世界」が掲載されていたので購入。
1985年7月号は、フィリップ・レイサムの「グザイ効果」が掲載。山本弘さんの本でタイトルだけ知っていた作品。
1988年5月号は、ヴァーナー・ヴィンジの「バーバリアン・プリンセス」目当てで購入。
1989年7月号は、コードウェイナー・スミス、J・G・バラード、バリントン・J・ベイリー、イアン・ワトスン、フリッツ・ライバーという豪華なメンツと、草上仁さんが紹介されているコーナーが有ったので。
1997年11月号は、ヴァンパイア・ホラー特集で、ロバート・R・マキャモンの作品が読みたくて購入。
一日で二つの古本市を回るのは大変ですが、今回はなかなか良い収穫でした。特にSFマガジンが多く売られていたのが印象的でした。SFは良かったんですが、ホラーはさっぱりでしたね。「999」シリーズの「狂犬の夏」だけがないのはなぜなんでしょう。
来年こそ、来年こそは、開催日程をずらしてください。年齢的、体力的につらいです。
2016年10月9日、第19回天神さんの古本まつりと、第15回四天王寺秋の大古本まつりに行ってきました。
まずは、大阪天満宮で開催されている第19回天神さんの古本まつりから。大阪市営地下鉄「南森町駅」か、JR東西線「大阪天満宮駅」で下車、市営地下鉄「4-A」出口またはJR「3」出口から地上に出て右へ、すぐの角を右に曲がると正面に大阪天満宮が見えます。
手前には寄席の「繁昌亭」があります。
雨が心配でしたが、朝のうちに止んでくれて良かったです。地面は一部湿っていましたが。
百円均一コーナーも有り、なかなか盛況でした。会計は各店舗ごとに行う方式。海外作家のSFとホラーの文庫を多めに持ってきている店があってありがたかったです。
一時間ほど回って四天王寺へ。地下鉄谷町線で「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」で下車。徒歩5分ほどで四天王寺着。
北西側から中へ入りました。
地面の濡れているところが多かったですね。ほんと、止んでくれてよかった。会計はいくつかの店舗ごとに共同のレジが置かれている方式です。
毎回思うんですが、やっぱり規模が縮小しているようです。参加店が減っているのか、商品を減らしているのか。しかも来月の弁天町ORC200で開かれる予定だった古本市が、諸般の都合で中止になったという張り紙が……。
なお、現在四天王寺は耐震補強工事中のようです。
あと、敷地内でのポケモンGOは禁止だそうです。
今回の戦利品はこちら。
天神さんで買ったのは9冊。
「ゲートキーパー」上下(ソノラマ文庫)は草上仁さんの「スターハンドラー」シリーズの第三作。そういえば二作目をまだ読み終わってなかったな。
R・A・ラファティの「九百人のお祖母さん」(ハヤカワ文庫SF)は、有名な本ですがなんとなく買いそびれていた本。
「ラブメイカー」(ハヤカワ文庫SF)は、ジョセフ・エルダー編/浅倉久志他訳の「性」をテーマにしたアンソロジー。作家はエドワード・ブライアント、ロバート・シルヴァーバーグ、バリー・N・マルツバーグ他。
「奇妙な関係」(創元推理文庫)はフィリップ・ホセ・ファーマーの初期短編集。
「魔界の盗賊」(ハヤカワ文庫FT)は、マイクル・シェイの中編集。裏表紙の「ラヴクラフト愛好者必読!」に煽られて購入。……表紙がエロかったからじゃないよ?
「李白」上下(岩波書店 中国詩人選集)は、武部利男注の李白の詩集。
「中国歴代家訓選」(徳間書店)は永井義男編訳の、中国の歴史上の人物が残した家訓を集めた本。
四天王寺で買ったのは6冊。
気がついたらSFマガジンばっかり買ってました。今回は色んな店がSFマガジンを売ってました。
1969年11・12月号は、マレイ・ラインスターの「彼岸世界」が掲載されていたので購入。
1985年7月号は、フィリップ・レイサムの「グザイ効果」が掲載。山本弘さんの本でタイトルだけ知っていた作品。
1988年5月号は、ヴァーナー・ヴィンジの「バーバリアン・プリンセス」目当てで購入。
1989年7月号は、コードウェイナー・スミス、J・G・バラード、バリントン・J・ベイリー、イアン・ワトスン、フリッツ・ライバーという豪華なメンツと、草上仁さんが紹介されているコーナーが有ったので。
1997年11月号は、ヴァンパイア・ホラー特集で、ロバート・R・マキャモンの作品が読みたくて購入。
一日で二つの古本市を回るのは大変ですが、今回はなかなか良い収穫でした。特にSFマガジンが多く売られていたのが印象的でした。SFは良かったんですが、ホラーはさっぱりでしたね。「999」シリーズの「狂犬の夏」だけがないのはなぜなんでしょう。
来年こそ、来年こそは、開催日程をずらしてください。年齢的、体力的につらいです。
2016年8月26日金曜日
『黄色い壁紙』感想
『黄色い壁紙』
シャーロット・パーキンズ・ギルマン著/西崎憲訳
創元推理文庫「淑やかな悪夢」所収 初版2006年8月31日
あらすじ・・・精神に不調を抱える私は、夫のジョンと夏の休暇を過ごす家を借りた。立地も建物も素晴らしいその家は、一つ奇妙なところがあった。……部屋の壁紙。黄色い壁紙が、私の注意を惹きつけた。不思議な模様の壁紙を見つめていると、その表面に、女の姿が見えてきた……。
なんと言いますか、読んでいるこちらのほうが精神に不調をきたしそうな話です。
訳者の西崎さんは、巻末の対談で「改行が怖い」といってますが、確かに改行ごとに話が変化していくように感じられました。「これは人というか、状況というか、それが少しづつねじれていく話なんですが、そのねじれを文で書かない。説明しない。改行でやってしまう。たとえば、あるところまで主人公はこういう認識を持っていたが、次の行ではすでにその認識が変わっている」確かに、ラストなんかは「あれ?」っと思いました。
これはすべて主人公の狂気が生み出した幻なのか、本当に女の霊が存在するのか、読み手によって感想が変わりそうです。
この話が発表された時、ボストンの医師が「こんな小説は書かれるべきではなかった。読んだ者が誰であれ、正気を失わせること疑いなしだ」と抗議したらしいです。本人は批判してるつもりでしょうけど、褒め言葉にしか見えない。「こんな小説は書かれるべきではなかった」という表現がふるってますね。
作者のシャーロット・パーキンズ・ギルマンは、自身もうつ病に罹り、この小説の主人公のように「知的な活動をせず、安静にする」という治療を受けさせられ、かえって病状が悪化した経験があるそうです。経験に裏打ちされたストーリーということです。怖い。
「淑やかな悪夢」は、倉阪鬼一郎・南條竹則・西崎憲編訳の女性作家によるホラーアンソロジーです。正直、私は殆どの作家の名前を知りませんでした。
最初に収録されているシンシア・アスキスの「追われる女」のオチが、完全にラフカディオ・ハーンの「むじな」なんですが……?
シャーロット・パーキンズ・ギルマン著/西崎憲訳
創元推理文庫「淑やかな悪夢」所収 初版2006年8月31日
あらすじ・・・精神に不調を抱える私は、夫のジョンと夏の休暇を過ごす家を借りた。立地も建物も素晴らしいその家は、一つ奇妙なところがあった。……部屋の壁紙。黄色い壁紙が、私の注意を惹きつけた。不思議な模様の壁紙を見つめていると、その表面に、女の姿が見えてきた……。
なんと言いますか、読んでいるこちらのほうが精神に不調をきたしそうな話です。
訳者の西崎さんは、巻末の対談で「改行が怖い」といってますが、確かに改行ごとに話が変化していくように感じられました。「これは人というか、状況というか、それが少しづつねじれていく話なんですが、そのねじれを文で書かない。説明しない。改行でやってしまう。たとえば、あるところまで主人公はこういう認識を持っていたが、次の行ではすでにその認識が変わっている」確かに、ラストなんかは「あれ?」っと思いました。
これはすべて主人公の狂気が生み出した幻なのか、本当に女の霊が存在するのか、読み手によって感想が変わりそうです。
この話が発表された時、ボストンの医師が「こんな小説は書かれるべきではなかった。読んだ者が誰であれ、正気を失わせること疑いなしだ」と抗議したらしいです。本人は批判してるつもりでしょうけど、褒め言葉にしか見えない。「こんな小説は書かれるべきではなかった」という表現がふるってますね。
作者のシャーロット・パーキンズ・ギルマンは、自身もうつ病に罹り、この小説の主人公のように「知的な活動をせず、安静にする」という治療を受けさせられ、かえって病状が悪化した経験があるそうです。経験に裏打ちされたストーリーということです。怖い。
「淑やかな悪夢」は、倉阪鬼一郎・南條竹則・西崎憲編訳の女性作家によるホラーアンソロジーです。正直、私は殆どの作家の名前を知りませんでした。
最初に収録されているシンシア・アスキスの「追われる女」のオチが、完全にラフカディオ・ハーンの「むじな」なんですが……?
第29回 下鴨納涼古本まつり リポート
『第28回 下鴨納涼古本まつり』リポート
2016年8月11日、京都の下鴨神社で開催されている『第28回 下鴨納涼古本まつり』に行ってきました。
阪急電車の京都河原町駅で下車。京都市バスのF乗り場から(去年の記事にH乗り場と書いてありますが、Fの間違いだったようです)4、または205系統のバスに乗って「新葵橋」で下車。徒歩1分ほどで到着。
天気は晴れていたものの、会場は糺の森の馬場なので木陰も多く、あまり暑さは感じませんでした。
夏休み+山の日+初日ということで、かなりの人出でした。そのせいか会場は砂埃が舞っていました。
写真ではよく分かりませんが、結構な砂埃でした。ただ、主催者側も予想していたようで、散水車が水を撒いていました。
今年の「瀬見の小川」は、水遊びする子供が何人かいました。世界遺産だから勝手に入っちゃダメです。
今回の戦利品。相変わらず少なめ。昔は1万円ぐらい平気で買ってたんですけどね……。
「シルクロード歴史地図」(新時代社)は、加藤九祚監修のシルクロードの地図に遺跡や風景のイラストを添えたもの。
SFとホラーが一冊づつ。
ジョン・ウィンダム著「時間の種」(創元推理文庫)は「トリフィド時代」「呪われた村」などで有名なウィンダムの短編集。
K・W・ジーター著「結晶する魂」(ハヤカワ文庫NV)は、帯に「P・K・ディック絶賛」とあります。サイコホラーかな? ジーターというと「ドクター・アダー」が一番有名ですかね。
岬兄悟著「バルーン・バルーン」(文化出版局)は、いわゆる「絶版文庫」というやつです。聞いたことのない出版社ですね。
「北京籠城 北京籠城日記 付 北京籠城回顧録」(平凡社東洋文庫)は、義和団事件で北京が包囲された時に活躍した柴五郎の講演をまとめた「北京籠城」留学中に籠城に巻き込まれた服部宇之吉の「北京籠城回顧録」を中心にした本です。柴五郎の事を以前少し聞いたことがあり、興味を持っていたので購入。
今年は天気にも恵まれ、安心して楽しむことが出来ましたが、人の多さにちょっとびっくりしました。
16日まで開催されていますので、興味のある方はぜひ行ってみてください。帽子、水分補給の飲料、虫よけをお忘れなく。
2016年8月11日、京都の下鴨神社で開催されている『第28回 下鴨納涼古本まつり』に行ってきました。
阪急電車の京都河原町駅で下車。京都市バスのF乗り場から(去年の記事にH乗り場と書いてありますが、Fの間違いだったようです)4、または205系統のバスに乗って「新葵橋」で下車。徒歩1分ほどで到着。
天気は晴れていたものの、会場は糺の森の馬場なので木陰も多く、あまり暑さは感じませんでした。
夏休み+山の日+初日ということで、かなりの人出でした。そのせいか会場は砂埃が舞っていました。
写真ではよく分かりませんが、結構な砂埃でした。ただ、主催者側も予想していたようで、散水車が水を撒いていました。
今年の「瀬見の小川」は、水遊びする子供が何人かいました。世界遺産だから勝手に入っちゃダメです。
今回の戦利品。相変わらず少なめ。昔は1万円ぐらい平気で買ってたんですけどね……。
「シルクロード歴史地図」(新時代社)は、加藤九祚監修のシルクロードの地図に遺跡や風景のイラストを添えたもの。
SFとホラーが一冊づつ。
ジョン・ウィンダム著「時間の種」(創元推理文庫)は「トリフィド時代」「呪われた村」などで有名なウィンダムの短編集。
K・W・ジーター著「結晶する魂」(ハヤカワ文庫NV)は、帯に「P・K・ディック絶賛」とあります。サイコホラーかな? ジーターというと「ドクター・アダー」が一番有名ですかね。
岬兄悟著「バルーン・バルーン」(文化出版局)は、いわゆる「絶版文庫」というやつです。聞いたことのない出版社ですね。
「北京籠城 北京籠城日記 付 北京籠城回顧録」(平凡社東洋文庫)は、義和団事件で北京が包囲された時に活躍した柴五郎の講演をまとめた「北京籠城」留学中に籠城に巻き込まれた服部宇之吉の「北京籠城回顧録」を中心にした本です。柴五郎の事を以前少し聞いたことがあり、興味を持っていたので購入。
今年は天気にも恵まれ、安心して楽しむことが出来ましたが、人の多さにちょっとびっくりしました。
16日まで開催されていますので、興味のある方はぜひ行ってみてください。帽子、水分補給の飲料、虫よけをお忘れなく。
2016年5月31日火曜日
『生きどまり』感想
『生きどまり』
ロバート・ブロック著/仁賀克雄訳
ハヤカワ文庫NV「切り裂きジャックはあなたの友」所収 初版1979年9月30日
あらすじ・・・ノーベル賞の科学部門を受賞したハーバート・ゼインは、私生活では妻を憎悪するほど結婚生活は破綻していた。ハーバートは妻との生活に背を向け、研究に没頭した。そしてついに彼は、不死の霊薬を完成させた。これさえあれば、永遠に生き続けることができる。しかし、その薬のことを妻に知られてしまった。自分も飲んで不死になろうとする妻をハーバートは殺してしまう。
タイトルは、誤字ではありません。原題も”The Living End"で、Dead End(行き止まり)をもじったものになっています。訳者のセンスが光っていますね。タイトルの意味はオチを読めばわかります。確かに不死者といえど、超人ではないのですからこのオチはまさに『生きどまり』です。
作者のロバート・ブロックは、1935年に17歳でデビューした、アメリカのホラー作家です。ハワード・フィリップス・ラブクラフトと仲が良く、彼の存命中はいわゆる「クトゥルー神話」物 を多く書いていましたが、一番有名なのは、アルフレッド・ヒッチコック監督により映画化された「サイコ」でしょう。もっとも日本では、ヒッチコックの名前が有名すぎて、原作者がブロックだということを知る人は少ないかもしれません。
「切り裂きジャックはあなたの友」は仁賀克雄編訳のホラー短編集です。ブロックの短編を新旧交えて収録しています(「生きどまり」は1963年の作)。表題作は切り裂きジャックが今も生きていて、アメリカで殺人を続けているという話でオチは読めるのですが、そこまでグイグイ読者を引っ張っていくのは、流石ブロックといったところです。
ロバート・ブロック著/仁賀克雄訳
ハヤカワ文庫NV「切り裂きジャックはあなたの友」所収 初版1979年9月30日
あらすじ・・・ノーベル賞の科学部門を受賞したハーバート・ゼインは、私生活では妻を憎悪するほど結婚生活は破綻していた。ハーバートは妻との生活に背を向け、研究に没頭した。そしてついに彼は、不死の霊薬を完成させた。これさえあれば、永遠に生き続けることができる。しかし、その薬のことを妻に知られてしまった。自分も飲んで不死になろうとする妻をハーバートは殺してしまう。
タイトルは、誤字ではありません。原題も”The Living End"で、Dead End(行き止まり)をもじったものになっています。訳者のセンスが光っていますね。タイトルの意味はオチを読めばわかります。確かに不死者といえど、超人ではないのですからこのオチはまさに『生きどまり』です。
作者のロバート・ブロックは、1935年に17歳でデビューした、アメリカのホラー作家です。ハワード・フィリップス・ラブクラフトと仲が良く、彼の存命中はいわゆる「クトゥルー神話」物 を多く書いていましたが、一番有名なのは、アルフレッド・ヒッチコック監督により映画化された「サイコ」でしょう。もっとも日本では、ヒッチコックの名前が有名すぎて、原作者がブロックだということを知る人は少ないかもしれません。
「切り裂きジャックはあなたの友」は仁賀克雄編訳のホラー短編集です。ブロックの短編を新旧交えて収録しています(「生きどまり」は1963年の作)。表題作は切り裂きジャックが今も生きていて、アメリカで殺人を続けているという話でオチは読めるのですが、そこまでグイグイ読者を引っ張っていくのは、流石ブロックといったところです。
2016年5月2日月曜日
「第34回 春の古書大即売会」リポート
『第34回 春の古書大即売会』リポート
2016年5月1日、京都の岡崎で開催されている「第34回 春の古書大即売会」に行ってきました。
天気は曇りでしたが屋内イベントなので問題なし。毎年この時期に弓道の大会があるらしく、道着姿で弓を持った人をよく見かけていましたが、今年は日程が違うのか、見かけませんでした。
会場内は上図のようになっていて、かなり広いです。大量に買う人のために買い物カゴが用意されていて、手荷物一時預かり所や、宅配の受付もありました。
ゴールデンウィーク中ということもあり、大勢の方が参加されていました。ただ気になったのは、並べられている本の上に本をひろげて、読みふけっているマナーの悪い人が目についたことです。一人本の上にカゴを載せている男がいて、流石にこれは無理矢理下ろさせました(わざとカゴの下にある本を取った)。いい年をした大人なんですからもう少しマナーってものを考えてほしいものです。
今回の戦利品。少ないのはお金の節約です。新しいPCを自作したいので、パーツ代を貯めているところなんです。
ロアルド・ダール「あなたに似た人」(ハヤカワ・ミステリ文庫)は前回紹介した「廃墟にて」が良かったので購入。
J・M・ストラジンスキー「デーモン・ナイト」(ハヤカワ文庫NV)は、ひょっとしたらダブったかも。以前買った記憶があるような……無いような……。部屋が散らかっていて、蔵書の確認が出来ない状態なんです。
マイケル・マクダウエル「アムレット」(ハヤカワ文庫NV)は……あれ? これも持ってたような気が……あれ?(重症)
気を取り直して、今回の一番の戦果。レイ・ラッセル「インキュバス」(ハヤカワ文庫NV)です。ずっと探していたのですが見つからず、ようやく今日手に入れられました。ラッセルという人は、知名度の割に翻訳が少ないそうです。モダンホラー・セレクションも、大分あつまってきました。
今回会場では、九州の地震のためのチャリティーとして百均コーナーを設け、売上を全額寄付しているそうです。また、京都の古書店の場所を記した地図を一枚百円で販売して、これも寄付するそうです。今月5日まで開催されているので、行かれた方はぜひご協力ください。
アクセスですが、私の場合は阪急電車の河原町駅で下車。6番出口から市バスのE停留所で46系統のバスに乗って「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」で下車しました。他にも行き方があるようですが、私はこれが一番分かりやすかったです。
今の時期、京都は観光客で一杯なので、バスはかなり混みます。料金は大人230円なので、あらかじめ小銭を用意しておきましょう。
2016年5月1日、京都の岡崎で開催されている「第34回 春の古書大即売会」に行ってきました。
天気は曇りでしたが屋内イベントなので問題なし。毎年この時期に弓道の大会があるらしく、道着姿で弓を持った人をよく見かけていましたが、今年は日程が違うのか、見かけませんでした。
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| 会場はこんな感じ。 |
ゴールデンウィーク中ということもあり、大勢の方が参加されていました。ただ気になったのは、並べられている本の上に本をひろげて、読みふけっているマナーの悪い人が目についたことです。一人本の上にカゴを載せている男がいて、流石にこれは無理矢理下ろさせました(わざとカゴの下にある本を取った)。いい年をした大人なんですからもう少しマナーってものを考えてほしいものです。
今回の戦利品。少ないのはお金の節約です。新しいPCを自作したいので、パーツ代を貯めているところなんです。
ロアルド・ダール「あなたに似た人」(ハヤカワ・ミステリ文庫)は前回紹介した「廃墟にて」が良かったので購入。
J・M・ストラジンスキー「デーモン・ナイト」(ハヤカワ文庫NV)は、ひょっとしたらダブったかも。以前買った記憶があるような……無いような……。部屋が散らかっていて、蔵書の確認が出来ない状態なんです。
マイケル・マクダウエル「アムレット」(ハヤカワ文庫NV)は……あれ? これも持ってたような気が……あれ?(重症)
気を取り直して、今回の一番の戦果。レイ・ラッセル「インキュバス」(ハヤカワ文庫NV)です。ずっと探していたのですが見つからず、ようやく今日手に入れられました。ラッセルという人は、知名度の割に翻訳が少ないそうです。モダンホラー・セレクションも、大分あつまってきました。
今回会場では、九州の地震のためのチャリティーとして百均コーナーを設け、売上を全額寄付しているそうです。また、京都の古書店の場所を記した地図を一枚百円で販売して、これも寄付するそうです。今月5日まで開催されているので、行かれた方はぜひご協力ください。
アクセスですが、私の場合は阪急電車の河原町駅で下車。6番出口から市バスのE停留所で46系統のバスに乗って「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」で下車しました。他にも行き方があるようですが、私はこれが一番分かりやすかったです。
今の時期、京都は観光客で一杯なので、バスはかなり混みます。料金は大人230円なので、あらかじめ小銭を用意しておきましょう。
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