『まったく、何でも知ってるエイリアン』
ジョージ・アレック・エフィンジャー著/黒丸尚訳
早川書房SFマガジン1985年4月号収録
あらすじ・・・アメリカ合衆国大統領である「私」のもとに、国務長官から「エイリアンが来ました」との報告が来た。 ヌープと名乗る彼らは友好的で、様々なアドヴァイスをくれた。星間航行を可能にした彼らの高度な技術を得ようと地球人たちも友好的に接するが、ヌープたちには一つ欠点があった。あまりにも、おせっかいすぎるのだ……。
……これも一種の「侵略ものSF」になるんでしょうか? ヌープにはそんな気はないのでしょうが……。
ベートーベンの最高傑作は「第九」ではなく「ピアノ協奏曲第五番変ホ長調」。それすらも最高ではなく、人類の最高傑作は「映画ベン・ハーの音楽」。最も美しい花は「タチアオイ」。最高のアメリカ大統領は「ジェームズ・K・ポーク」。こんな具合に意見を押し付けられ、最高の投資先、料理に合うワイン、付き合っている二人の女性どちらと結婚すべきか、などなど……様々な「アドヴァイス」をされれば、たとえ友好的なエイリアンでも鬱陶しくなるでしょう。
ラストもほのぼのしてるのか皮肉なのか、ちょっと変わった読後感でした。
作者のジョージ・アレック・エフィンジャーは1947年生まれのアメリカ人作家です。代表作は『重力が衰えるとき』(ハヤカワ文庫SF)でしょうか。ハードボイルドな作風というイメージがあったので、この作品は意外な印象でした。
8月11日から下鴨納涼古本まつりが始まります。13日に行く予定(雨が降ったら断念)ですので、またSFマガジンを探してみるつもりです。
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