2015年5月24日日曜日

『危険! 幼児逃亡中』感想

『危険! 幼児逃亡中』
C・L・コットレル著/伊藤典夫訳
ハヤカワ文庫SF「冷たい方程式」(新版)所収 初版2011年11月15日

 あらすじ・・・誤って爆弾が投下された町をジルという名の少女が一人、さまよっていた。爆弾を回収しにやってきた、空軍のバティン大佐に同行していた記者のゴードンは、大佐の目的が爆弾ではなく、少女であることを知る。ジルは、とびきり危険な少女だったのだ。

 SF作家の山本弘さんの本で、タイトルだけが紹介されていたのを読んで、どんな話なのかとても興味を持ちました。幸い、「冷たい方程式」の新版が出版され、それに収録されているのを知り、この話だけを目的に購入しました。ですのでこれは古本ではなく、新刊本です。
 タイトルから、コメディー色の強いドタバタストーリーを予想していたのですが、意外にシリアスなストーリーでした。少女と対峙したゴードンの心の叫びが悲痛です。
 なんでも、キングが「ファイアスターター」の元ネタにしたとかしないとか、噂があるらしいです。そういえば、「ファイアスターター」や「キャリー」に通じるところのある、ストーリーでした。

 作者の C・L・コットレルについては、よく分かりません。訳者あとがきでは、本作ほか短編を数編発表して消えた作家らしいです。軍人だったらしく、軍人の描写にリアリティーがあるかな? と思いました。

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