『真夜中の太陽』
ロッド・サーリング著/福島正実訳
講談社文庫「不思議な国のラプソディ 海外SF傑作選」所収 初版1976年4月15日
あらすじ・・・地球が突然公転軌道を外れ、太陽に近づいて行き、気温がみるみる上昇していた。今や真夜中でも真昼のように暑く、明るかった。人々が少しでも涼しい場所を求め、北の方に移動している中、ノーマ・スミスはアパートに残り、太陽の絵を描いていた。ノーマの他にアパートに残っているのは、ブロンソン婦人のみ。天気予報を読むアナウンサーは、ヤケになって喚き立てる。見回りを続ける警官も、ノーマに銃を渡して街を出ていった。そしてついに、空いっぱいに広がった太陽が、地上を照りつけた。ガラスはひび割れ、カンヴァスの絵の具が融けだし、燃え上がった。ノーマの唇が燃え、両目から液体が流れ出し……。
夏に読んじゃダメな話です。オチは○○○なのですが、さらにもう一捻り皮肉なオチがあるのが、サーリングらしいと思いました。
この作品は、TVの「トワイライト・ゾーン(ミステリー・ゾーン)」の中の一編です。ドラマのノベライズなのか、小説をドラマ化したのか分かりませんが、ドラマでも名作と評判です。「トワイライト・ゾーン」のDVDが本屋で売ってますが、この「真夜中の太陽」が収録された巻が出たら買おうと思ってたのに、買いそびれてしまったんですよね……。小説がすごく良かったから、ドラマも見てみたかったんですけど。
作者のロッド・サーリングは作家としてより、テレビライターとしてのほうが有名で、特に「トワイライト・ゾーン」が日本でも有名です。
「不思議な国のラプソディ 海外SF傑作選」は福島正実編のSFアンソロジーです。「現実の世界では決してあり得ない異常な出来事を、あっと意表をつく発想で捉えたSF独特の<奇妙な味>を伝える12編」が収録されています。他には、ドナルド・A・ウォルハイム、エドモンド・ハミルトン、マレイ・レンスター(ラインスター)、フレデリック・ブラウン、ウィルスン・タッカー、リチャード・マシスン、ゼナ・ヘンダースンなどの作品が収録されています。
福島正実さんが編んだ「海外SF傑作選」は他にもあり、「破滅の日」「人間を超えるもの」の二冊を持っています。
「真夜中の太陽」は、文春文庫の「トライライト・ゾーン2」にも、収録されています。
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