『魔性の猫』
スティーブン・キング著/白石朗訳
扶桑社ミステリー「魔法の猫」所収 初版1998年2月28日
あらすじ・・・殺し屋のホルストンは、製薬会社を営む富豪ドローガンから、奇妙な依頼を受ける。殺すのは、一匹の猫。ドローガンはこの猫が、彼の家族3人を殺したのだという。ドローガンの会社では、薬の開発のため1万5千匹の猫を「消費」していた。この猫は、その復讐に来たのだという。事情を聞き、戸惑いながらも依頼を受けたホルストンは、ドローガンの望みどうり彼の屋敷の外で殺すため、猫を二重のショッピングバッグに入れて車で出発した。だが、車の走行中に猫がバッグを抜け出し、ホルストンの視界を塞いだ。コントロールを失った車は衝突し横転。事故のショックで一時的に腕が麻痺したホルストンに、猫が襲いかかった。
猫好き必読!! 嘘です。猫好きは読まないほうがいいかもしれません。それほどこの猫は、怖いです。殺し屋対猫。普通ギャグにしかならない題材をキングは見事な悪夢に仕上げています。
作者のスティーブン・キングについては、有名すぎるので今更説明する必要は、無いでしょう。もっとも、私はキングの長編は「シャイニング」しか読んだことがなく、もっぱら短編を読んでいます。キングといえば、話が長ければ長いほど面白いと言われていますが、短編もなかなか面白いと思います。
「魔法の猫」は扶桑社ミステリーから出版された、J・ダン、G・ドゾワ編の「猫」アンソロジーです。猫をテーマにした短編が、多数収録されています。キングの他には、フリッツ・ライバー、コードウェイナー・スミス、アーシュラ・K・ル・グイン、ジーン・ウルフなどが執筆しています。私はまだ全部読んでいないのですが、読んだ中ではライバーの「跳躍者の時空」が良かったです。こっちは本当に猫好き必読です。
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