『クレイヴァリング教授の新発見』
パトリシア・ハイスミス著/小倉多加志訳
ハヤカワ文庫HM「11の物語」所収 初版2005年12月15日
あらすじ・・・カリフォルニア大学の動物学教授エイヴァリー・クレイヴァリングは、太平洋のクワ島に生息する巨大カタツムリの伝承を知り、新種を発見して名声を得ようと、ハワイの近くにあるマトゥサス群島にやって来た。クワ島の伝承を本で紹介したステッド博士に会うも、博士は一度も見たことがないと否定的であった。クレイヴァリング教授は一人クワ島に渡り、そこで9メートルはある大きさの巨大カタツムリを発見した。証拠の写真を撮り島を出ようとした教授は、乗ってきた船が沖に流されているのを発見する。クレイヴァリング教授が戻らなければ、ステッド博士が探しに来てくれるはずだが、それまで教授を喰らおうと追ってくる巨大カタツムリから、逃げ延びなければならない。巨大カタツムリはゆっくりと、だが確実に教授に迫ってくる……。
巨大生物モノは本・映画問わずありますが、これもその一種です。 9メートルの巨大カタツムリ……、想像もしたくないです。カタツムリの歯って、「庭などにいる小さなカタツムリでも上下に二万本ほどの歯が櫛の歯のように並」んでいるそうです。そんな歯の生えた口で噛み付かれたら……。しかも9メートル……。夢に見そうです。
作者のパトリシア・ハイスミスは、「太陽がいっぱい」で知られる作家です。なので私は彼女の事をミステリー作家と考えていたのですが、こんな作品も書いていたのですね。ミステリーやサスペンスはあまり読まないので、この分野の作家がどんな作品を書いているのか、よく知りません。この作品を知ったのは、別のホラーアンソロジーか何かにタイトルが紹介されていたのを読んだからです。そうでなければ、ハイスミスは一冊も読まなかったでしょう。
「11の物語」は、ハヤカワ文庫HMから出版されたパトリシア・ハイスミスの短篇集です。この本には他にも「かたつむり観察者」という短編が収録されていて、そっちも「うわぁ……」っていう感じです。作者は幼少期に、カタツムリとなにかあったんでしょうか? カタツムリとかナメクジが嫌いな人にはお薦めできません。
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