『ソフト病』
F・ポール・ウィルソン著/山田順子訳
新潮文庫「ナイト・ソウルズ」所収 初版1992年7月25日
あらすじ・・・骨のカルシウム基を崩壊させる、突然変異の奇形ウィルスが原因とみられる奇病「ソフト病」が世界中に蔓延していた。TVで免疫者だと思われる人は、ロックフェラー・センターに来るようにと呼びかけていたニュースキャスターの顎が、ぐにゃりと垂れ下がった。私は娘のジュディと二人、隠れるように暮らしていた。なぜなら私達は、足がソフト化しただけで、それ以上病状が進行していない免疫者だったからだ。ジュディは名乗りでて、誰かを助けたいと言うが、名乗り出れば治療法を見つけるための、実験材料にされるだけだと私は知っていたので、友人のジョージ以外誰にも合わないようにしていた。ジョージは生まれつきの免疫者のようで、全く発症しておらず、私達の世話を献身的にしてくれていた。そのジョージがここ数日連絡してこないので、私は引き止めるジュディを残し、彼の家に向かった……。
骨が無くなって、少しづつ身体がグニャグニャになる病気って……。怖い!足から順番に、上に向かって病状が進行していくって……。エグイ!健康のありがたみが分かる作品です。
作者のF・ポール・ウィルソンについては、以前書いたので割愛します。この人の作品は面白いのが多いですね。
「ナイト・ソウルズ」はJ・N・ウィアムスン編のホラーアンソロジーです。この本は元々「マスクス」「マスクスⅡ」という、二冊の本のベストセレクションなので、収録作の作者が超豪華です。ロバート・R・マキャモン、リチャード・マシスン、ラムジー・キャンベル、ロバートブロック、ジェームス・ハーバート、などなど……。お薦めはマキャモンの「夜襲部隊」と、スティーヴン・キングの「ポプシー」です。勿論他にもいい作品がいっぱいあります。この「ナイト・ソウルズ」自体が、お薦めの本ですね。
1 件のコメント:
唐突にソフト病を思い出し、検索して見たところたどり着きました。新刊を買って読んだ当時はまだ、大学生、授業中に読んでいたことを今でも覚えています。ナイトソウルズは面白かったという印象は残っているものの、タイトルを覚えているのはこれだけです。この一作で、F.ポール.ウィルスンのファンとなり、以降作品を読みあさりました。しかし、短編故でしょうか、そのインパクトは絶大、私にとっては、著者の作品の中でも未だ最高傑作となっています。
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