2015年10月30日金曜日

『海外SFショート・ショート秀作選』感想

『海外SFショート・ショート秀作選』
アイザック・アシモフ編/風見潤訳
集英社文庫コバルトシリーズ  初版1983年10月15日

 収録作
「ホーム・チーム・アドヴァンテージ」ジャック・C・ホールドマン二世
「コイン・ランドリィの一夜」ジェイン・ロバーツ
「闘技場にて」ブライアン・W・オールディス
「ひながた」フレドリック・ブラウン
「百獣の王」フィリップ・ホセ・ファーマー
「みなさん、お静かに!」アーサー・C・クラーク
「武器」フレドリック・ブラウン
「ヴォン・グームの手」ヴィクター・コントスキ
「プロトタフ」キース・ローマー
「セールスマンの厄日」フリッツライバー
「回答」フレドリック・ブラウン
「幽霊自動車」デヴィッド・メイスン
「九十億の神の御名」アーサー・C・クラーク
「車輪」ジョン・ウィンダム
「優しく雨ぞ降りしきる」レイ・ブラッドベリ
「女神の首」ジョゼフ・バーガー
「”地球よ、おまえをわすれたら……”」アーサー・C・クラーク

 ブラウンとクラークが三作づつ選ばれてます。フレドリック・ブラウンは、短編の名手と知られていますから当然ですね。「ひながた」は、ティプトリーの「ラセンウジバエ解決法」と似たコンセプトの作品に思いました。最後の一行にある「オチ」がいいですね。
 アーサー・C・クラークも、日本で多くの短編集が出版されています。三作の中では、「みなさん、お静かに!」が面白かったです。

 ブラッドベリの「優しく雨ぞ降りしきる」は、連作短編集「火星年代記」の中の一編。「火星年代記」もいい作品が沢山収録されています。

「ヴォン・グームの手」「幽霊自動車」「女神の首」の三人の作者については、よくわからないそうです。ただ、三作ともなかなか面白い話です。特に「ヴォン・グームの手」と「幽霊自動車」は、ホラーっぽい雰囲気があって好みの作品です。

「ホーム・チーム・アドヴァンテージ」の作者ジャック・C・ホールドマン二世は、SF作家のジョー・ホールドマンのお兄さんだそうです。野球の試合で負けた地球人が、アルクトゥールス人に食べられることになるという、なかなか悪趣味な話です。

 ショートショートのアンソロジーということで、作品ごとではなく一冊まるごとの感想になりました。コバルトシリーズって、昔は少女小説だけじゃなく、こういうアンソロジーも出してたんですね。今でも出してくれませんかねぇ?

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